少し目を離したすきに子供が怪我をした経験はありませんか。首についてのお話です。
お母さん「お出かけまで少しの間、遊んでいてね」
「はーい」 じゃあ おもちゃで遊ぼう。ブロックでおうちを作ろうかな。。。
しばらく1人で遊んでいたところ・・・
「痛いよ〜、お母さん。首が痛くなっちゃったよう。首が痛くて動かせない。」
この話は、つい最近、私が治療した患者さんのお話です。
病院に来るお子さんでは、実際にこのような相談も珍しくありません。
特に怪我をしたわけではないし、朝起きたときから痛いわけでもない。
急に首を痛がるお子さん。一体何があったんでしょうか。
このお子さんの場合の病気は、環軸椎回旋位固定(atlantoaxial rotatory fixation) という名前でした。
目次
環軸椎回旋位固定とは
環椎とは首の上から1番目の骨、軸椎は首の上から2番目の骨という意味です。
つまり首の1番目と2番目の骨が回った状態で固定された状態という意味になります。
ポイント
- 就学前後の小児に多い
- 斜頚(頭が斜めに向いたまま)、首の痛み、首の可動域制限
- 原因は、少し捻ったなどの簡単な怪我(大きな怪我でも)や首周りの炎症・手術後
治療法
- 発症から1週間以内なら安静、頚椎カラー固定、投薬治療
- 1週間以降で改善なければ、入院して頚椎を持続的に引っ張る牽引治療
- 手術療法は、牽引治療で治らない場合や再発を繰り返す場合
なにより最も重要なのは 早期診断、早期治療 とされています。
治療が遅れればその分後遺症が残る可能性があるから。
1ヶ月以上経過した場合には、治癒率が下がる傾向にあるとする報告もあります。
それ以外の病気としては、頚椎捻挫、頚椎骨折、頚椎脱臼(亜脱臼)など、いろんな病気の可能性がありますのでくれぐれも自己判断せずに、整形外科を早めに受診してくださいね。
今日はこれまでです。みなさんの参考になれば嬉しいです。ありがとうございました。
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