日常生活でよく関わることのある病気、つき指について解説します。
つき指とは
出典:日本整形外科学会
つまり、指先から指の根元に向かって力が加わってできる怪我のことを指しています
指を挟んだり、指先ではない場所を打撲したときなどは、また別のけがになります
つき指で考えるべき病気について
- 軽傷 打撲、捻挫
- 中等症 脱臼、軟骨損傷
- 重症 骨折、靭帯損傷、腱損傷
脱臼とは、関節が完全に外れてしまうこと。その際には周りの組織の損傷も伴い、骨折や靭帯損傷、軟骨損傷が同時にみらえることもあります。脱臼の整復後には、ほかの組織損傷の評価が必要です。
伸筋腱という指を伸ばす腱が、末節骨(指の先端の骨)に付着しています。つき指の場合には、その腱が切れたり(腱性マレット指)、骨ごと腱が外れたり(骨性マレット指)することがあります。
病院にかかるべき症状とは
- 指先が伸ばせない
- 指が腫れている、反対側に比較してしわが減っている
- 指が変形している
- 応急処置を行なって数日経過しても痛み、腫れが改善しない
- 指先が伸ばせない
-
骨性マレット指や腱性マレット指の場合、自分で指先を伸ばそうとしても伸びない症状が出現します
腫れがなくても指が伸ばせない場合には、腱断裂の可能性がありますので、早急に整形外科を受診しましょう
- 指が腫れている 反対側に比較してしわが減っている
-
骨折の場合には痛みのほかに出血を伴うことが多いです
その際には内出血がみられたり、腫れがみられることが多いです
また骨折の場合には怪我をした最初から痛みが続くことが多いです
(骨折部がずれたときには途中から痛みがでることもあります)
- 指が変形している
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指の脱臼や骨折、脱臼骨折の場合、指の変形があります
痛くて動かせない場合にも早めに整形外科を受診した方がいいでしょう
- 応急処置を行なって数日経過しても痛み、腫れが改善しない
-
骨折や靭帯損傷、腱損傷などであっても、怪我の程度によっては腫れや痛みなどの症状が軽度なこともあります
応急処置を行なっても痛みや腫れが続く場合には、整形外科を受診しましょう
病院で行う検査
- 受傷状況(どのように怪我をしたか)
- レントゲン検査
- MRI検査やエコー検査が必要となることもある
- 受傷状況
-
身体所見のほかにも、つき指をした際にどちらの方向からどの場所に力が加わったか、も重要ですので準備しておきましょう
- レントゲン検査
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骨折や脱臼の有無について調べます
指が伸ばせない場合、骨折がある場合(骨性マレット指)と骨折がない場合(腱性マレット指)で治療法が違います
こどもの場合には骨端線とよばれる成長線の損傷のこともあります
比較のため特にこどもでは、比較のため反対側の指も撮影することも多くあります
- MRI検査、エコー検査
-
レントゲンで骨折がない場合、軟骨損傷や骨の中の損傷(骨挫傷)などを調べるためにMRI検査やエコー検査を行うことがあります
自宅でできる応急処置
- RICE処置
- 指の仮固定
- 変形が強い場合には隣の指と固定
- RICE(ライス)処置
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怪我をした際の応急処置のこと。
Rest(安静) 損傷部位を安静に保つことで出血や痛み、修復
Icing(冷却) 冷却することで毛細血管を収縮させ、腫脹を防止します
保冷剤にフェイスタオルなどを巻いて冷やすとよいでしょう
Compression(圧迫) 患部を圧迫することで出血や腫脹を防止します
包帯で軽く巻くことで圧迫効果があります
Elevation(挙上) 患部を挙上することで、腫脹を防止します
- 指の仮固定
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病院ではアルフェンスシーネという、添え木(アルミ製)や熱可塑性樹脂(熱で柔らかくなり、冷えて固まる)で固定することがよくあります
自宅でできる仮固定としては、割り箸(添え木の代わりになるもの)を手のひら側にあて、テープや包帯で固定する方法があります
腫脹、疼痛が軽い場合には、損傷した関節をテーピングで巻いて固定する方法もあります
- 変形があり固定できない場合
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隣の指を用いて固定する方法(バディテーピング)があります
テープを用いて隣の指と固定します
損傷部位は避けてその前後の部分で固定します
2ヶ所以上固定できると安定します
つき指はよくある症状なので、あらかじめ対処法を持っておくことは大切です。
以上、参考になれば嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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