肘が曲がらないと顔が洗えない〜肘の後遺症の予防のために〜肘関節拘縮

肘の動きが悪くなったとき、どんな不便があるか考えたことありますか?

友人と入浴中・・・「顔を洗いにくそうにしてるけどどうしたの?」

「去年の事故で肘を怪我してから、動きが悪くなってるんだ。あのとき、もう少しリハビリがんばったらよかったんだけど、仕事が忙しくて十分にできなかったんだ。」

「今からでもできることがないか、いい整形の先生を知っているから相談してみたら、どう?」

肘を怪我した後に、肘の動きに制限が起きることはよく起きる合併症の一つです

肘の動きが大きく悪くなると、片側の手全体の機能が低下するため、日常生活に支障が出やすいとされます


一般的に日常生活で必要な肘関節の可動域は

①肘の伸ばし 30度(最大伸展した位置から30度まがった位置)以上伸びること

②肘の曲げ  130度(最大伸展した位置から130度まがった位置)以上曲がること

③手の外開き 50度(手をパーに開いて親指を立てた状態から手のひらを天井に向ける方向)以上開くこと

④手の内開き 50度(手をパーに開いて親指を立てた状態から手のひらを地面に向ける方向)以上開くこと

とされています。

そして肘関節が固まって動きが悪くなった状態のことを肘関節拘縮といいます。


肘関節拘縮の原因

①関節内の原因

関節を形成している骨が変形したためにスムーズに動かない

関節内遊離体(関節ねずみとも言われる)という関節内に異物があり、動くときにひっかかる

関節の周りに骨棘という、新しくできた骨が関節の動きを邪魔している

滑膜という関節内にもともとある組織が炎症を起こして、分厚くなり挟まる


②関節外の原因

怪我を治す過程で皮膚や筋肉、腱などが硬くなり伸びなくなる

関節包という関節を包んでいる膜が分厚くなり伸びにくくなる

異所性骨化といい、骨が本来ないような筋肉内などに骨ができて当たって動きにくくなる


肘関節拘縮の治療

①予防

※外傷後の出血や浮腫、組織の繊維化などで本来伸びるはずの組織が伸びないことで起きる

短期間の肘関節の固定(長期間の固定は逆に関節が拘縮してしまう)

早期からの肘関節の可動域訓練

包帯での圧迫

挙上

術中の止血や術後に肘関節に出血が溜まらなくするチューブの挿入

異所性骨化の予防のための薬物療法(インドメタシンなど)


②保存療法 ※手術以外の方法

受傷後6ヶ月以内の中程度の拘縮には効果があるとされている

受傷から1年まで効果があるとする報告もある

装具療法

理学療法


③外科的治療

一般的には肘の伸ばしが30度未満、肘の曲げが120度未満、日常生活への支障がある人、術後のリハビリテーションができる人が適応とされる

手術の時期としては、装具療法やリハビリテーションを行なっても改善しなくなってきた時期であり、6ヶ月以降とされる。一方で可動域の改善が見込めなくなったタイミングを逃さず早期に手術を進めるという報告もある


手術方法

関節鏡視下拘縮解離術

適応 神経症状(手のしびれなど)や異所性骨化がない軽度の関節拘縮

利点としては、皮膚の切開範囲が小さくて、関節内の遊離体、骨棘の除去、関節包の切除、術後の痛みが少ないこと

欠点としては、神経損傷のリスクがある、手術の技術的難易度が高くなること


観血的拘縮解離術

前方、後方、内側、外側アプローチがあり、それぞれ利点、欠点がある

関節鏡に比較して、侵襲が大きくなる

関節拘縮が強い場合や神経・骨の処置が必要な場合には、こちらの方法が適応となる


術後の治療

術後は再度の拘縮が必発であり、早期からリハビリテーションが必要不可欠

出血や腫脹、疼痛があると再度、拘縮の原因となるため、coolingや挙上、圧迫、薬物による除痛も必要


最後までお読み頂きありがとうございました。何かの参考になれば嬉しいです。

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